損益計算書(P/L)とは何か~5種類の利益の違い理解してますか??~

2020年3月25日

会社の業績を知ることができる、損益計算書について解説します!

損益計算書とは何か

損益計算書とは…
会社がどれだけ儲けているかや、どれだけの利益を得ているかを示す財務諸表。
具体的には、こんなもの⇓

売上や利益などが分かりますよね!
これで会社の業績を知ることができます。

なお、その業績は、単年度のもの。
事業年度がX1年4月1日~X2年3月31日である場合には、その期間の業績を表します。

貸借対照表(B/S)との違い

損益計算書と必ずセットで出てくるのが「貸借対照表(B/S)」。
貸借対照表は、会社などがどれくらい資産を持っているかや、借金などを抱えているかといった情報が記載されている財務諸表。
こんなもの↓

貸借対照表(B/S)は、決算日時点の資産などの状態を表すものです。
つまり、事業年度がX1年4月1日~X2年3月31日である場合には、X2年3月31日時点の資産の状態。
…ではあるのですが、
資産の状態は今までの業績結果が反映されています。

そのため、B/Sは「歴代の業績結果を表している」とも言えます。

それらは一緒に見ることによって、会社の状態をより深く知ることができます!
貸借対照表については、関連記事で紹介しています!

損益計算書の重要性

損益計算書では、会社の売上や利益の情報から、業績判断をすることができます。
その見方をちゃんと知れば、損益計算書だけでも得られる情報は様々。
例えば、

  • この会社は配当収入は多いが、本業では利益を獲得していない
  • 固定資産売却益が出ているため当期純利益は確保しているが、近年、本業では赤字が続いている。

など。

何年分か用意出来ればさらに〇
下記の図をご覧ください。

1年分だけ見ても、その業績は短期的なものである可能性があります。
(たまたまその年度の業績が悪かっただけ、ということも考えられますよね?)

そのため、企業の実力を測るためには少なくとも3年分程度は見ておきたいところです。

ちなみに、貸借対照表とあわせて分析すれば、もっと情報を得られます。
(この会社は少ない資本で大きな利益をあげている、など。)

しかし、正確な知識や見るべきポイントを抑えていないと、有用な情報が詰まった損益計算書を活かしきれません。
次の項目で、ここだけは抑えて欲しい基本的な箇所を解説していますので、興味を持って頂けたら読んでみてくださいね!

損益計算書の構成

損益計算書は、下記のような構成になっています!
上から順にみていきましょう!

売上総利益の計算

まずここの部分。
ここは、売上総利益(粗利)を計算するところ。

売上は…分かりますよね?

販売店が車を売れば、それは売上!
売上原価は…その車の仕入値です。
(ちなみに製造業などの原価計算は非常に難しいため、ここでは説明しません!)

そして売上総利益は、その差引で計算される利益。
60万円で仕入れた車を100万円で売った場合は40万円の利益。
いわゆる粗利です!
それをここで計算します。

営業利益の計算

ここで計算するのは、営業利益。

営業活動で得た利益です!
60万円で仕入れた車を100万円で売り、40万円の売上高総利益がでました。
よし!40円儲けた!
と言いたいところですが…

実際には、店舗の賃料や、電気代、販売員の給料など、いろいろな経費がかかってきます(大体は固定費。売上によって変動しないものです。)。
それを差し引いたのが営業利益です。

営業利益は、本業である営業活動から得た利益ですので、業績評価に役立ちます!

ちなみに営業赤字とは…

営業利益がマイナスの状態。営業損失とも言います。
営業赤字になっている、ということは本業から利益を確保できていないということ。
何年も続いているのであれば、ちょっと不安ですよね。

経常利益の計算

上を見てみれば分かりますが…営業利益に営業外収益費用を加減算して、経常利益を算定します。
営業外収益・費用とは、営業活動以外から生じた収益・費用です(そのままですね!)。
具体的には、営業外収益は、資産運用益(配当金や利息など)とかそういったものがあり、営業外費用は借入金の支払利息などがあります。
営業利益に、それらを加減算して算定したものが、経常利益。

経常利益は、正式には「けいじょう」利益と読みますが、「けいつね」とも呼ばれます!間違いではありません。
計上(けいじょう)利益と区別するために「けいつね」と呼ばれるそう。
経常的な事業活動から得た利益です。

そして、この利益が重要。
営業利益が出ていても、借入金が多くて経常利益が出てこないようでは困りますからね!

税引前当期純利益の計算

「当期純利益」と言われると、なんだか重要そうな雰囲気。
また一番下のほうにあるので、なんとなく目が行きがち。
なのですが…

当期純利益とは、経常利益に特別利益を足して、特別損失を引いたもの。
(「特別」なので、いつも発生するものではありません。
㊤のP/Lでも、特別利益はありませんね。)

特別利益や特別損失って??

特別利益や特別損失は、固定資産(土地など)の売却損益など、特別に発生する損益です。

つまり…
経常利益が結構出ていて、業績が良かったとしても、たまたま昔高値で買った営業所の建物と土地を安く売却しました、などといった場合
→多額の特別損失が発生
→当期純利益がマイナス(当期純損失となっている)
ということも考えられます。

逆に、「今期は純利益が出なそうだ…」といったときなどは、売却益が発生するようなものを売却するなどして、うまく調整することも可能です。
なので…
業績判断には、経常利益を用いるのが良いでしょう!

税引後当期純利益の計算

会社がもうかったら、法人税などの税金がかかってきます。
それを引いた後の利益が税引後当期純利益です。

ちなみに、その税金の額を計算することは非常に難しいです!
税引前当期純利益に単純に税率を掛ければいい、というものではありません!
法人税は公平に課税されるようにいろいろなルールがあります。
儲かったからバンバン飲み会をやって、商品券をふるまって、税金を下げよう!とか、簡単にはできないようになっています。
その税額を計算するのも、税理士の仕事。

これが会社の最終的な利益となります。
配当金は、ここから出ますので、投資家の方は要チェック。

まとめ

損益計算書で業績を判断しよう!というとき。
「一番下の当期純利益だけをみて判断しよう」
という風に、単純には判断できませんよ!

その他の利益も確認し、どのように当期純利益を生み出しているのかをよく見てみましょう。
そうすれば…
「固定資産売却益が出てるから純利益がでてるけど、営業赤字だな。」
ですとか、
「時代にうまく乗って売上も大きいから営業利益も大きいのか。」
「でも、借金は多いから、利子が多くて経常利益が圧迫されているな。」

などなど、より深い情報も得ることができるのです。
一口に利益と言ってもいろいろあるのです。

損益計算書が大体どんなものか、分かっていただけたでしょうか?
この記事で少しでも多くの情報を読み取れるようになっていただけたら幸いです!