税理士試験 国税徴収法の難易度・勉強時間・受験対策を考えてみた

2020年3月14日

くもべぇ
くもべぇ

ただの雑学っすよね?

リューゴ
リューゴ

教養としては結構いいって!
納税の猶予とか知っときたくない??

実務に役立つか否かは置いておき、結構おいしい科目かと思いますよ!

試験概要

  • 税法科目のうち、任意科目に該当!
  • ボリュームが少ないミニ税法

国税徴収法・国税通則法などから、国税職員などが国税を徴収するための手続きや、徴収の猶予などの諸制度について出題されます。

実務にはほとんど役に立ちません!
(確かに必要な知識は多少ありますが、この科目の取得を通じて身に付くというようなものではありません。一般教養的な意味〇)

マイナーそうな科目ですが、受験者数はミニ税法の中では消費税法、相続税法に次いで3番目に多いです。

 受験者数合格者数令和元年合格率平成30年合格率平成29年合格率
簿記11,7842,05217.414.814.2
財表9,2681,75318.913.429.6
所得1,65921212.812.313.0
法人4,26062714.711.612.1
相続2,89733811.711.812.1
消費7,45188411.910.613.3
酒税4926112.412.812.2
国徴1,67721312.710.711.6
住民4107819.013.514.3
事業3925814.811.011.9
固定86811913.714.913.3

勉強時間・難易度は?

  • 必要な勉強時間は、600時間程度
  • 簿記の知識は全くいらない!
  • 理論は約50題!(理論マスター)

予備校の参考学習時間は450時間とされております。
個人的には税法の中では一番難易度が低いのではないか?と思います。

試験の性質は違いますが、財務諸表論と同程度くらいと思っておけば、大きな違和感はないかと思います。
※正確な理論暗記が求められるため、理論暗記が不得意な方はキツいかもしれません。

「たった1500人程度の受験生の中で、10%に入ることができるのだろか?」といった不安はあるかもしれません。
しかし、それは恐れる必要はありません
一定のレベルまで到達すれば、合格することができる試験です。
あまり運の要素もありません。

試験問題の内容

理論問題100%となっています。

(配当計算というものがありますが、「計算問題」といえるレベルのものでもありません。)

また、税理士試験の他の科目と違い、「時間が余る試験」であり、「ケアレスミスによって合格を逃した!」という結果になりにくい試験です。

法律の内容・定義などを問うべた書き問題

他の税法と違い、「どこを書くのだろうか」と迷う余地すらないような、べた書きを求める問題は毎回出題されます(第1問は大体そのパターン)。

また、他の税法と同じような、自分で解答範囲を抽出して書き出すパターンも出題されます。

配当計算

差押財産の売却代金などが、どの債権から順に充てられ、どういう金額配分になるかなどを計算する問題です。

徴収方途など

滞納者の資産の状況などから、どういう風に租税を徴収するべきか考え、その方途を述べる事例問題です。

攻略法

合格までの道のりのイメージ

「簡単」ってイメージはありますが、他の税法と比べれば、という意味であって、そこまで簡単なわけでもありません。

そのイメージは合格するまで捨てましょう。

(やる気がなければ落ちます!私は一回落ちました。)

私の合格までの道のりはこちら

9月~12月

合格までの目安

250H(平日1.5H・土日2.5H)

理論暗記ははじめから「精度を高く」ということを意識してどんどん暗記しましょう!

(講義では結構ゆるいことを言っていたりしますが、「高精度」で!)

配当計算も完璧に解けるようにしましょう。

年明け以降には、難しい問題も出てきます。
確実に得点に結びつきますので、早めに高精度暗記対策はしっかりとやっていきましょう!)

予備校の講義ですが、この時期で大体基礎的な内容は網羅されます

本試験も、べた書き問題については、この時期で学習したレベルの内容の理解で十分に対応できます。

講義に沿って、しっかりと暗記をしていきましょう。

1月~4月期

合格までの目安

200H(平日1.5H土日2.5H)

過去問や事例問題は何度も解いて!

ひたすら理論暗記の精度を高めましょう!

1月スタートで合格を目指す方も、暗記精度は高いものが求められますので、早めに覚えて行きましょう!

直前に応用問題の難易度が急上昇することは、いつものパターンですよね。

この時期に早めにいろいろな問題を解いて、直前に焦らないようにしましょう。

5月~8月期

合格までの目安

200H(平日1.5H土日2.5H)

更に暗記精度を高めて!

いざ本試験!

内容薄いですね… しっかり理論暗記しましょうってことです。

それだけでは物足りないので(笑)。

「高い暗記精度が重要」なのはもちろんですが、この時期には、暗記だけでは対応できないような、ちゃんと難しい問題も出てきます。

「具体的な攻略法」にも書いてありますが、年明けごろから過去問対策を始めるなど、うまく対応していきましょう!

合格までの目安の合計は650Hとしました。
(なお、集中した650Hとだらだらした650Hでは全然違います!
特にこの科目は、理論ばかりでだらだらしがち…)

具体的な攻略法

とりあえず理論は全部覚えよう。

大体、第1問は、単なるべた書きが求められます。

「これ、覚える必要あるのかな?」って思うような理論は多いですが、合格したいなら、とりあえず覚えましょう

なお、求められる理論暗記の精度ですが、結構高いです

消費税法はなんとなく書けていれば大体OKみたいなところもありますが、国税徴収法は、1字1句レベルで暗記をしておくとGood。

問題も多くありませんので、1字1句レベルの暗記で差をつけましょう

(模試でも細かく採点されます。合格したいという方はぜひ!)

1字1句書けなければ合格できない!というものでもありませんが、どこで差がつくかと言えば、理論の暗記精度。

理論教材は、理論マスターと理論サブノートがありますが、どちらか一方にしか記載されていない理論もありますので、内容を確認の上、すべて暗記しましょう。

国税庁の講本は一応見ておこう

理論サブノートには記載されておりませんが、過去には国税徴収法の目的・国税徴収法の特色といったことが問われたこともあります。

そういった問題が急に出てくると不安ですよね。

しかし、それらの内容は国税庁にも載っております。

https://www.nta.go.jp/about/organization/ntc/kohon/tyousyu/mokuji.htm

その中で、国税徴収法の目的 国税徴収法の特色くらいは暗記しておくと良いでしょう

過去問は解きまくろう

大原もTACもかなりの数の過去問を問題集に乗せています。

それらはとりあえず全部解いておきましょう。

大体傾向は掴めるはずです。

事例問題は、意外と難しいので、何回も解きましょう。

過去問を何回も解いていれば、大体パターンはつかめると思います。

解答の作成方法について

まず、大手予備校には大原・TACがありますが、その解答方法も結構異なります。

たとえば、配当計算の「ぐるぐる廻り」。

TACと比べると大原は相当、簡略的な解答です。

私が採点者なら、TAC流と大原流の2通りの解答を採点するとしたら、TAC流の方を高い得点をつけるでしょう。

消費税法のように、時間のない試験の場合、簡略的な解答でも、全体的に解答できていた方がよいように思いますが、時間があるこの試験の場合、TAC流の解答を書く方がよいのでは?

一度比較して自分なりに考えてみてください。

やる気がなければ受からない!私の失敗談

私は消費税法と国税徴収法を2科目同時に2年間受けましたが、

1年目の敗因・国税徴収法を甘く見すぎていた。

私の学習時間

500H(平日2H・休日3H程度)
消費と合わせて勉強していました。

勉強時間はそこそこでしたが、「精度を高く」という意識は低かったです

その上、答練なども提出していなかったため、自分の立ち位置を理解していませんでした。

(「だらだらと勉強する」ということはよくないです。)

しつこいですが、求められる理論暗記の精度は意外と高く、それを知らなかった自分は公開模試にて焦りました(成績は上位50%くらい!あまり取ったことない成績でした…)。

しかし、そもそも理解度が低かったことなどもあり、本試験では不合格となりました。

2年目は本気で!絶対に取るという意識があった

私の学習時間

350H(合格発表~8月:平日2.5H・休日5H程度)
消費と合わせて勉強していました。

2年目はそもそも学習時間的にも余裕で受かりそうだと思われそうなところですが、それでも多分、1年目と同じようなモチベーションで受けたら合格を逃したような気がします

1年目とは、勉強の「質」が違いました。

そもそも、目指すべき精度が分かっていたため、そこは大きく違いました。

そしてちゃんと模試パックに申し込み、答練を提出していたことも大きな違いでした。

勉強時間ではなくて「やる気」こそ、この科目の合格の鍵のように思います。

Q&A

運の要素は少ないって本当?

本当に運の要素は少ないです!

なぜなら、①計算問題がないこと②試験の分量が多くないこと③多くの受験生もそこまで理論暗記などを完璧にしているわけではないことが挙げられます。

他の科目のような計算問題にはケアレスがつきものですが、この科目ではケアレスミスをする要素はあまりありません。
また、スピードは求められませんので、「一瞬の判断ミス」みたいなものもありません
そして、そこまで多くの受験生が精度の高い暗記をしているわけでもありませんので、正確な理論暗記をしていれば、ちゃんと上位に入ることができます。

ミニ税法は完璧勝負といいますが…

試験問題の内容にもよりますが、「完璧勝負」といったレベルの試験にはなっていません。

試験内容もそこまで難しくないため、完璧勝負になってもおかしくないような内容なのですが、①実務に役に立ちにくく、モチベーションの高い方が受けにくい②改正も少なく、低いモチベーションのまま何度も試験を受ける方も多いといった理由で、そこまでレベルの高い戦いとなっていないように思います(逆に相続税法のような試験にモチベーションの高い層が流れ込んでいます)。