税理士試験の直前期に絶対にやる事をリスト化します ~各科目ごとに解説します~

GW明けから8月の税理士試験までの時期。
予備校などでは直前期とも呼ばれます。

また、TACの公開模試も終わり、試験日まで2ヶ月を切った6月の中旬以降の本当に直前の時期(この記事の「直前期」は、この時期を指します)。
合格を目指す際、最も重要な時期と言えるでしょう。

既に知識レベルが十分な受験生であっても、直前期の過ごし方を間違えると合格を掴みと取ることはできません
逆に、直前期をうまく過ごせば、初学者であっても合格する可能性をぐっと引き上げることが可能

税理士試験については、試験範囲、特に税法理論の出題範囲が膨大であることなどから、直前期の重要性は他の一般的な試験よりもずっと高いと言えます。

私も知識量的には問題がなかった年でも、直前期の過ごし方を誤り、不合格となった経験があります。
不合格となった年の私の直前期は、こういったもの。
・答練が重要なのに、気になる論点応用に目が行き、点数に直接結びつかない学習時間が多くなってしまった
・本試験に合わせて、広範囲の理論を思い出すアウトプット作業が必要なのに、出題可能性の低い理論のインプットに学習時間が取られてしまった
・不安が増大化してしまい、勉強に手がつかなくなった

それらが顕著となった直前期を過ごした年は、知識量的には合格した年と大きく違いがなくても、ほぼ不合格という結果でした。
そのようなことにならないためにも直前期の過ごし方には注意が必要です!

なるべく分かりやすく、直前にすべきことをリスト化し解説しますので、ぜひ参考にして下さい。

なお、この記事は科目別に紹介しております。
自分に関係ある科目をご参照いただくよう、お願いします。

簿記論・財務諸表論の直前期の過ごし方

直前期には、下記のように、答練中心の学習をするようにしましょう
そのため、基本的なインプットは、6月までに終わらせておくことが理想。

しかし、基本的なインプットが完全ではなくても、基礎論点の個別問題などを延々と続けるのではなく、6月後半から以下のような学習をしていれば、合格する確率はぐっと上がるでしょう。

毎週1日、2時間の答練☓2回受けること

会計科目の直前期で最も必要なことは、本試験に近い状況に慣れておくことです。
そのため、毎週1日は2時間の答練☓2回を実施する必要があります。

初めは2時間☓2回も答練に臨めば、頭は相当疲れます。
しかし、慣れてくると平然とこなすことができるようになります。

本試験と同じ条件での勉強ですので、本試験に対するプレッシャーも和らぐでしょう。
「本試験でもいつもと同じことをするだけだ」という気持ちで、当日も臨めます。

苦手な論点をピックアップする

「あの問題が試験で出たら手が止まるな。」という論点をピックアップし、表にまとめましょう。
そして、そのまとめた論点をタスクリストのように一つ一つ潰していくのです。

高い実力があっても、個別問題などで苦手な論点がもろに出題されると、合格は厳しくなります。
私の場合は、新たな苦手論点を思いついたらすぐに携帯のタスクリストのアプリなどに登録し、常に意識をするようにしていました。

直前期の漠然とした不安への対策にもなるため、一石二鳥です。

なお、予備校で対策している以上のことを追求する必要はありません。
そのため、その作業はそこまで負担にならないハズです。

ちなみに、私の推奨する、「毎日1時間の総合問題を解く」方法を実践している方なら、ピックアップすべき苦手な論点もそう多くはないでしょう。

計画的な財表理論アウトプット

試験前10日間に、財表理論を全体的に確認・アウトプットできるような計画を立てましょう。

直前期に必要なことは、本試験で自分が学習した努力の成果を発揮できるようにすること。
しかし、1ヶ月前にしっかりと暗記した理論でも、しばらく見ていなければ全く思い出せなかったりします。

私は具体的な計画を立てないで学習するタイプですが、試験の直前の2〜3週間の理論だけは、計画を立てるようにしました。
そのほうが本試験で力を発揮できると判明したためです。

表などを作成し、計画に沿って学習をしましょう。

せっかく一度暗記もして、しっかりと理解しているのにも関わらず、直前にアウトプットしていないという理由で解答できないことは、非常にもったいないです。

まとめ

簿記論・財務諸表論の直前期の過ごし方は、上記の通りです。
税理士試験はあくまでも、試験。
上記の試験対策をすることで、知識量が多少不足していても、合格する確率は相当高められます。

直前の過ごし方は間違えないようにしましょう!

法人税の直前期の過ごし方

計画的な財表理論アウトプット法人税法は、試験範囲が膨大であることがポイントです。
そのため、直前期の過ごし方の差によって、合否に大きく影響します

なお、直前期に下記のように過ごすためには、基礎的な事項のインプットは、直前期よりも前に確実に済ませておく、という前提があります。
ハードな直前期を乗り越えるためにも、下準備をしっかりとしておきましょう。

覚えた理論は試験前10日間で確認

試験直前の10日間で、自分が捨てると決めた理論以外の理論を、全て一度アウトプット作業ができるような計画にしておきましょう

せっかく理論暗記をしていたとしても、直前に数回、アウトプット作業をしておかないと、本試験で全く思い出せません。
そのため、試験直前に複数回アウトプットしておくことが重要ですが、直前であればあるほど、効果は高いです。

しかし、その作業も、範囲が膨大なため、相当時間がかかります
その対策として、基本的な計算問題など、比較的直前でなくても頭に定着している項目の対策は、試験の10日前までに直前の対策は済ませておきましょう。

理論は試験でも重要な事項。
1年間の成果を無駄にしないためにも、しっかりと取り組みましょう。

予備校の答練は確実に受ける

試験10日前までの時期は、とにかく2時間の答練を何度も受けることをおすすめします
他校の答練も受けられるとなお良いです。

法人税法の試験では、単純な暗記ではなく、直感的なひらめきのようなものが求められることもしばしばあるため、非常に答練の経験値を積むことが重要です。

計算問題は論点を絞り込む

個別の計算問題については、計算過程が長いものと、自分の苦手な論点に絞って学習しましょう
基礎的な論点は、答練よく出てきますので、直前期に個別問題として見る必要はないでしょう。

なお、計算過程が長い計算問題については、しばらく時間をおくと、本試験でスムーズに思い出すことができなくなってしまいます。
そのため、そのような計算問題については定期的に個別問題などでも確認することが必要です。

個別問題を学習する際は、「この学習は合格するために必要か?」と考えながら学習をしましょう

まとめ

法人税法は、全てにおいて範囲が膨大ですので、直前期は本当に苦しい時期となるでしょう。
しかし、1年間の成果を発揮するためには、1年分の知識の引き出しから、本試験で適切に、かつ素早く取り出すことができなければなりません。

そのため、直前期の位置付けは、まさしく超重要
心を無にして山を乗り越えましょう!

消費税法の直前期の過ごし方

消費税法は、本試験で理論をいかに正確に素早く解答できるか、ということがポイント
試験で合格するかどうかは、直前期をうまく過ごせるかどうかが非常に重要です。

計画的な税法理論のアウトプット

本試験で早く正確に解答できるよう、試験の直前にすべての理論のアウトプットができることが理想です
(なお、自分が捨てると決めた理論がある場合には、それを除きます。)

そのため、試験前1週間は、ほとんど理論学習に充てることをおすすめします。

計算問題のポイント化

上で示したように、試験の直前は理論中心の学習に持っていきたいところです。
そのため、GW明けごろから、計算問題は、判定に迷ったものなどをポイント化し、単語カードなどにまとめておきましょう
問題をやるたびに間違えた部分をポイント化するのです。

ちなみに、ケアレスミスをしたポイントや、その他配点に関わるポイントについても、単語カードに書いておきましょう。
例えば、前課税期間が6ヶ月の場合でも、中間申告で通常の12ヶ月パターンで解答してしまいがちなので、表に「前課税期間が6月」裏に「中間申告・6月」と言った風にカードを作成するのです。

計算問題を1問解くのも時間がかかりますので、ポイント化しておくことがおすすめです。

2時間の答練は時間を守って確実に行う

当然ながら、予備校の模試などの答練は、全て本試験と同じ気持ちで受けましょう。
本試験の練習になります。

ちなみに計算の総合問題は、その答練を受けていれば、ほとんど十分。
あとは上記のポイントで効率よく学習し、本試験で理論が書けるような状況にもって行きましょう。

まとめ

消費税法の計算問題は、大体パターンを覚えてしまえば、一定期間おいても試験で十分に力を発揮できるでしょう。
直前期の過ごし方で大きく変わるのは、理論問題。
理論問題については、ほとんどしっかりと覚えていても、試験前2週間全く見なければ、パッと頭から文章がでてこなくなります。
そのような事態にならないためにも、直前には理論中心学習をすることをおすすめします。

直前期と他の時期との差のなかった科目

「直前期が最重要」であることは、「他の試験でも同じだ」と思うかもしれません。
しかし、税理士試験については、膨大な範囲からのベタ書きが求められることや、計算についても相当のボリュームがあることなどから特に直前期が重要なのです

ちなみに私は直前期とそれよりも前の時期との差を特に感じなかった科目があります。
それは国税徴収法です。
この試験の特徴は、ほぼ理論100%という点と、やるべき学習は限られた範囲であること。

そのため、直前であるからといって特に工夫を要するものではありませんでしたし、合格した年と不合格であった年の差は、単純な知識量・暗記精度の違いでした。

国税徴収法は、「運の要素が少ない」とも言われています。
他の科目については、知識量や実力が高い方でも不合格になることがよくあります。
それを見て人は「運」と表現するのです。

そのため、人が「運」と呼ぶものは、直前期の過ごし方で大きく「高める」ことができるのでは?と私は思います
ぜひ、上記の方法を参考にし、運を高めて試験に臨んで下さい!

体調管理は最重要

税理士試験の受験をする際は、体調を崩さないことが重要
特に直前期で体調を崩してしまうと、大切な時期に勉強時間を確保することができなくなってしまいます。
そのため、体調管理は最重要。

風邪は引かないように徹底しましょう。
私のおすすめは下記です。
・毎日のR1ヨーグルト
・人混みなどでの水分補給
(ちなみに私は現在3年以上風邪を引いていません。)

直前期はストレスが非常に高まるため、免疫力が低下し、更に体調が崩れやすい状態となってしまいます
そのため、なるべくストレスは溜めないように意識することが必要です。
直前期のストレス対策は、下記で紹介します。

直前期のストレスの対処法

直前期は非常に厳しいストレスと戦わなければなりません。
それと同時に、気分転換を図る時間も確保しにくいです。
そのため、直前期で必要なストレスの対処法は、「本試験に対する不安を除去すること」
まず常に発生するストレスを抑えることが必要なのです。

「試験に対する不安」がストレスの原因

直前期を経験した方は、下記のような不安がよぎって、ストレスを感じませんでしたか?
・本試験で、今自分が覚えていない理論が出題するのではないか。
・マイナーな計算の論点を、今いきなり出題されても全然解けないだろう。
・今年受からなかったらまたもう一年同じように勉強をすることになってしまう。

そういった焦りからどこから手をつけて良いのか分からなくなり、勉強の集中力すら落ちてしまうことも
そのため、不安要素をできるだけ減らすことが重要です。

実際に不安を取り除く方法は?

試験に対する不安は、完全には取り除けません。
しかし、軽減する方法はあります。
また、不安がある状況でも勉強を続けるコツもあります。

それは、直前期にやるべきことをリスト化しておくことです。
その際、自分が不安に感じている論点についても、全て書き出しましょう
(タスクリストなどのアプリなどを使用してもOK)
そして、「これをすべてやれば合格できる」と言い聞かせるのです。

不安なことを見える化することによって、相当不安は軽減します。
また、不安なときに考えごとをしても不安が大きくなりがちですので、なるべく心を無にして、淡々とやるべきことをこなして行きましょう。

これで直前期もうまく乗り切れるハズです。
ぜひ試してみて下さい。

試験前日はどう過ごしたか(体験談)

試験前日は、全体的な試験範囲について見直すことが多かったです。

大学受験などで、「試験前日や当日は勉強を全くせず、頭がクリアな状態で試験に受けると良い」といった方法も紹介されていました。
私は今までその方法で試験に臨んでいたため、会計科目については試験直前はマンガを読んだりしながら過ごしていました。

しかし、特に税法に関しては、当日や前日に関しても理論を全体的に見直す作業を続ける作業をしたほうが良い、という結論になったため、理論を見続ける前日を過ごすことが多かったです。
(やはり、直前に見た理論は、本試験でもスムーズに思い出せるからです。)

しかし法人税法のときは、試験範囲が多過ぎて、見ているうちに不安が増大し、3時ごろまで眠ることはできませんでした
それでも、法人税法の受験では、最高のパフォーマンスを発揮することができました。

皆様も、寝れなくて更にそのことで不安になることもあるかもしれませんが、安心して試験に臨んで下さい!

受験生の皆様へのメッセージ

直前期が苦しいのは、1年間本気で戦ってきた証拠です。
苦しいのは「この試験で確実に合格したい」という気持ちが強いから。
私について言えば、苦しくない直前期を過ごした年は、全て不合格でした。

精神的にも厳しい時期ではありますが、これに耐え抜いた後に合格があるものだ、と信じましょう!