建設業経理士は経理の転職で役立つのか ~建設業の経理経験者が解説します~

建設業経理士とは

建設業経理士・建設業経理事務士は、一言で言うと簿記検定・建設業バージョンです。
また、基本的には他の簿記検定と似たような試験形式です。

日商簿記との相違点は?

建設業経理士は、建設業中心の内容です
そのため、日商簿記よりも工事中心の内容となっています。
例えば、日商簿記では、売上は商品の販売が主なものですよね?
しかし、建設業経理士の試験では、建設業ですので、売上も工事の請負によるものです。

コンビニで商品を売りました!
というと、そのときに売上が発生しますよね。

建設業の場合は…
長期にわたる大きい工事をやっています。
いつ売上が計上されますか?
といった、違いなど。

下記は(一財)建設業振興基金の出題範囲表です。
こちらを見てもらっても分かりますが、出題範囲は工事特有の論点だけではありません。

https://www.keiri-kentei.jp/exam/scope.html

2級については、日商簿記2級をしっかりと理解されている方なら、試験問題の1/3程度はすでに解答でき、工事特有の考え方を少し補足することで、すぐに半分程度は解答できるようになるのでは?というような内容です。

建設業経理士1級、2級、3級どの級がおすすめ?

建設業経理士を目指される方は、2級の合格を目指すのがおすすめです!
理由は、下記でも説明しますが、建設業会では有名な、「経審」のポイントにもなり、また、実務に役立つ知識も身につくためです。

経審とは

経営事項審査の略で、建設業者が受ける審査です。
財務内容が良好であったり、技術者が多ければ高い評点が与えられます。
また、その評点はネット上にも公開され、工事の受注にも影響を与えます。

なお、建設業経理事務士3級では、「経審」のポイントにもならず、建設業界においてもそこまで評価がされません。
そのため、まずは会計系の資格で一般的に知名度も高く評価も得られる「日商簿記3級」の合格を目指し、その合格後に「建設業経理士2級」の合格を目指すのが良いでしょう。

難易度も、日商簿記の3級よりも少し難しい程度のイメージですので、ステップアップとしても良いと思います。

なお、日商簿記1級の合格を目指す方や、建設業界でさらに評価を得たい方は、難易度は高いですが、1級の受験もおすすめです!

経理実務に実践的に役立つ知識が身に付く

建設業経理士2級の内容は、簡単な経理の実務をするうえでは丁度良い内容となっております。
日商簿記3級の知識の上乗せとしても丁度いい試験内容となっています。

建設業界の経理を志望・勤務中の方は、基礎的な知識として必須ですので、ぜひ受験しましょう。
また、会計事務所などでは、建設業者を担当する可能性もあります
日商簿記では、建設業経理について手厚く勉強しませんので、こちらの資格を持っていると仕事が回ってきたときは安心でしょう。

内容は建設業中心ですが、簿記の考え方は業界を問わず共通しています
そのため、他業界の経理を志望・勤務中の方であっても、役に立つ内容となっています。

建設業で評価される理由は

建設業で評価される理由ですが、上記のような「知識が身につく」という点だけではありません。
「経審」のポイントにもなる、ということが注目点です。

ちなみに、経審への影響は下記リンクの通り。

(一財)建設業振興基金/経営事項審査の改正に伴う経理士等の評価
https://www.keiri-kentei.jp/data/pdf/license/hyouka_table.pdf

建設業経理士1級の取得者が責任のある立場になり、監査をした場合、さらに加点されるということ。
1級を持っている方はあまりいないため、実際に出世の足掛かりとなっているパターンも多いです。
「○○さんは、建設業経理士1級を持っているから、経理部長になってもらおう」なんて道も開けるかも?

他業界でも評価される?

日商簿記と比較すると一般的な知名度も低いため、建設業界と比べると、それ以外の業界では評価されにくいことも事実です
経理系への転職であれば、財務関係の知識が一定程度あることの証明にもなりますので、一定の加点要素とはなりますが、建設業以外であれば、やはり日商簿記のほうが知名度も高く、評価されやすいのが現状と言えます。

資格保有者が実務をしてみた体験談

私は、建設業経理士1級を合格しましたが、その知識は経理の実務をするうえでは非常に役に立ちました
社会人になると、なかなか実務のことを丁寧に教えてくれる先輩も少なかったりします。
実務に関する知識は、教わるのではなく自分で学ぶ必要があります
そんな中、仕訳の入力や、財務諸表の作成業務などを行う場面が出てきますが、業務に対する基礎知識が完成している状態での作業であったため、苦労も相当少なかったです
また、何も分からずに仕訳を作成するよりも、知識があって仕訳を作成するほうが、仕事も面白くなります。

ちなみに、この資格を持っていることも寄与して、部内最年少の管理職にもなりました。

まとめ

建設業経理士の資格は建設業界においては非常に知名度が高く、資格を持っていれば必ず評価されます
難易度も2級までであれば、そこまで高いものではありません。
経理の仕事をしている方は、転職の際も道が広がりますので、受けてみてはいかがでしょうか?