中小企業での総務の仕事内容とは? ~中小建設会社・元総務担当者が紹介します~

私は中小建設会社に経理志望で入社し、9年間勤めましたが、入社2年間は総務に配属されました。
その中では、株主総会の準備や招集通知の作成であったり、車両管理業務から始まり、短い期間で本当に幅広い業務に携わりました
最初は戸惑いのほうが大きかったですが、総務の経験によって、経理になってからも役立つことばかり。
会社全体のことを知れたことと、数字のイメージも膨らんだためです。

また、経理業務に携わる中、総務とは常に連携を取って仕事をしてきましたので、その実態を伝えて行きたいと思います!

総務の主な業務内容は

一般的な総務の仕事

総務の行う業務の内容は本当に幅広いです
ざっと大きいものを挙げると、下記。

・(人事)給与関係(社会保険関係を含む)
 給与ソフトなどで社員の給料を計算し、給与明細を作成したりします。

・(人事)勤怠管理
 勤怠管理システムや、紙の勤務表などで、社員の勤怠状況などを管理します。

・(人事)資格の管理
 社員がどんな資格を保有しているかを管理します。

・就業規則関係
 就業規則などを変更する必要がある際、その文章を作成したりします。

・株主総会など、イベントの準備
 会社内のイベントなどの際、会場を予約したり、出席者を管理したりします。

・車両管理
 会社で使用している車両のデータや使用状況、車検・点検などを管理します。

・建物管理
 建物の状態を把握し、修繕や設備点検を手配したりします。

・備品・事務用品の管理
 必要な備品・事務用品を購入したり、在庫状況を管理したりします。

その他、細かいものまで挙げるとキリがないです。
つまりは、会社全体の管理をする仕事
なお、業界の違いやそれぞれの会社によっていろいろな仕事があります。

中小企業では、人事・法務などが独立しておらず、全て総務が担っているパターンは多いかと思います。

建設業の総務の仕事

特に建設業について言えることは、下記の3つ。

①労災保険の届け出などが特殊
②資格などの管理が煩雑であること
③勤怠管理が特殊であること
(人事が分かれている場合には、いずれも人事の仕事かも知れません。)

①労災保険の届け出などが特殊
建設業では、現場ごとに労災関係が成立します
そのため、その届け出の内容も特殊です。
大きい工事(1億8千万以上)については別途届け出も必要で、それ以外の小さい工事についても労災保険料の計算のために請負金額を計算する必要もあります。

②資格などの管理が煩雑
何が煩雑かというと、事務系の人間には全く馴染みのない、非常に多くの資格・講習などが存在するからです。
更に、それらの資格などは、取引先に提出する書類に記載する必要があったりしますので、しっかりと管理しなくてはなりません。

③勤怠管理が特殊であること
建設業の勤怠管理は、自宅から現場へ直行したり、現場が遠方であったりと、勤怠パターンが特殊です
そのため、労働時間について非常に判断が難しいです。

なお、その他の業務については、大きく異なるものではありません。

総務に向いている人は

下記のような人は中小企業の総務に向いています。

①幅広い視点を持って仕事ができる方

社会情勢の変化から来週の天気に至るまで、幅広く視野を広げて仕事ができなければなりません
なぜなら、総務が管理をしなければならないことは本当に幅広く、常に会社に対してどのような影響があるのかということをいち早く察知して対応していく必要があるからです。

マイナンバー制度が始まる、などという情報を早く掴むことはもちろんですが、来週大雪が降るといった情報も早くつかみ、速やかに対応していく必要があります

そのため、一つのことに集中して仕事をするタイプの方にとっては苦痛に感じる部分もあるでしょう。

②面倒見が良い方

面倒見が良い方であると、良い仕事ができるハズ。
なぜなら、面倒見の良さがあることで、自ら会社を良くする仕事に取り組むことができるからです。

総務は、会社全体の曖昧な業務についてもこなしていく必要があります。
そのため、面倒見の良さがある方であれば、「ここはこう変えることで皆喜ぶよな。」ということを考え、細かいことも改善されていくでしょう。

逆に、多少の面倒見の良さがある方でなければ、「なんでこんなことを自分が対応するんだ」という風な思考になってしまい、やりがいも感じにくいです。
そういった気持ちは仕事にも直結するため、従業員の不満も増えてしまうでしょう。

いろいろな要望も多く寄せられますが、それに広い心で対応してきけば、感謝されます
そこにやりがいを見い出せる方が総務で活躍すれば、会社も良くなっていくこと間違いなしです!

③割り切って物事を考えることができる方

上記と同時に、割り切りができる力も必要です。
総務の業務範囲は広すぎるがゆえ、全てを完璧にしようと思うと難しいからです
社員の要望も幅広く寄せられたとしても、全て対応することは難しいでしょう。

しかし、何か問題が生じれば、責任が問われる場面も出てきます。
「そんなところまで見きれない!」と、理不尽に感じることもあるでしょう。
そんな環境なので、心の割り切りもできる必要があります。

他業界からの転職もOK

上記で、総務に向いている方を紹介させていただきましたが、そういった要件を満たしている方なら、他業界からの転職であっても活躍できるでしょう!
細かい数字が苦手でも、給与計算などを除けば、基本的に問題はありません。

私は、「接客業から事務への転職」を考えている方がいるのであれば、総務から事務系の職に就くという方法は非常にオススメだと思います。
お客様に対するサービス心は、この仕事に生きてきます。

事務の仕事は刺激が少なく、物足りなさも感じるかもしれませんが、勤務時間は決まっていたり、肉体的には楽であることなど、良い面は多々あります。
ライフスタイルが変化すれば、働く環境も変えていきたいところですよね。
他業界の方も一度検討してみてはいかがですか?

総務のやりがいとは

総務のやりがいは、会社の顔として、会社全体をサポートし、従業員の皆さんから頼りにされることです。
また、長く勤めていれば、「○○社と言えば山田さん!」というイメージも定着してくるでしょう。

総務には「会社の全体像を知ることができる」というメリットがあります。
全国の従業員と連絡を取り合い、また、会社の全体的な仕事をするため、早く会社の全体像が見えてくるのです。

そのため、「会社全体をサポートしている」という実感は掴みやすいです。
そしてだんだん、皆から頼りにされるようになり、やりがいも感じて来るでしょう。

総務の仕事は、初めはやりがいを感じにくいということも事実です。
まず、雑務的なことが多いということ。
また、会社外部との関わりも限定的であり、定形的な業務も多いため、刺激が少ないです。
それに加え、社内からの要望やクレームが多く集まります

そんな環境ではありますが、接客業のように考え、一つ一つ丁寧に対応していると、感謝される機会も増え、だんだんやりがいも感じてくるハズ。

総務は会社の根幹的な部分を担う、重要な仕事です。
皆から頼りにされ、「あの人がいるから会社がうまく回っているんだ」と思われるような、そんな存在になれるといいですね。

中小企業の総務と経理兼務が多い?

中小企業では、「総務」「人事」「法務」などは、総務が一括して行っていることが多いでしょう。
更に、「経理」についても明確に分かれていない場合もあります。

なぜなら、全体の人数が多くない中、それらの業務を明確に区分して会社を回すことは非効率的であるからです。
そのため、中小企業では、それらの仕事を全て見なくてはならないかもしれません。

しかし、それはある意味チャンスです。
一つの会社の中で幅広い業務に触れることができるためです。

一つの分野について専門的に知識を深めることも重要ですが、ずっと同じような業務に従事していれば、それだけ視野が狭くなってしまうかもしれません。
そういった意味では、中小企業では、本当に幅広い業務に触れることができますので、オールマイティな人材になるチャンスがあります!

総務に役立つ資格は

総務の仕事の中でも重要な位置づけである給与関係の業務。
社会保険などの知識については基本的なことを知っておく必要があります。
また、会社法についても基本的事項を知っておくと○。
株主総会などの運営の根拠を知ることができます。

下記のような資格を持っていると役立つこと間違いなしでしょう。

・社会保険労務士

まず挙げられる、重要な資格は社会保険労務士。
非常に難易度も高いです。
中小企業の日常業務ではここまでの資格がなくても回っていますが、労務的な部分で判断が迷うことも多々ありますし、会社の規程も随時変わっていきます。
そういった際に社労士の資格を持っていれば、すぐに経営者からも相談が回ってくることになるでしょう。
事務系の立場から役員に昇進する可能性だって十分にあります。

・FP技能士

この資格によって、社会保険などの知識について、幅広く知ることができます。
また、この資格の良いところは、実践的な知識を身につけることができるということ。
総務の仕事は幅広いため、損害保険の知識など、なかなか学ぶ機会のない部分についても知ることができるこの資格はおすすめです。

まとめ

総務の仕事の大まかなイメージはつきましたでしょうか?
総務の仕事は、会社の根幹を支える、非常に重要な仕事。
向き不向きは当然ありますので、転職などを考えている方であれば、この記事から自分に向いているだろうか?ということをよく考えてみて下さい。