税理士試験の簿記論と財務諸表論は経理実務に役立つのか ~経理実務経験ない人には強い味方~

会計の仕事に就きたい!
将来税理士として独立を目指そうと思い立ったとき。
実務経験のない状態で転職できるのだろうか?
果たして経理として活躍できるのだろうか?

そんな不安も浮かびますよね。
そういった不安を抱いている皆様。
全く心配はいりません。

他業種で勉強されている方も、勉強に専念されている方も、知識さえあれば会計業界でも、すぐに活躍できるようになります!
ここでは未経験者が税理士を目指すとき、まず取得を目指す会計科目である、「簿記論」「財務諸表論」があれば、会計業界で活躍できる理由や、どのように実務に役立つのかということを紹介させていただきます。

簿記論・財務諸表論学習者がすぐに活躍できる理由

簿記論・財務諸表論は、税理士を目指す受験生がまず受験する会計科目です。
そして、その会計2科目さえ取ってしまえば、比較的すぐに実務でも活躍することができます

その理由は…会計の仕事は「理論的な仕事」であり、資格で学ぶ知識と実務に必要な知識が限りなく近いため、です。

そのため、実務では困らないレベルの知識をつけることができる、簿記論・財務諸表論さえしっかりと勉強をしていれば、実務でも比較的すぐに活躍できるのです。

例えば医者が手術をするには、研修医として手術の経験を長く積む必要があり、知識だけあってもすぐには執刀できません。
会計の仕事の場合は、それと異なり、知識さえあれば直接実務をこなす力も向上するのです。

そのため、この業界では資格が非常に高く評価されます

資格試験では学べないもの

実務との違いももちろんあります。

①会計ソフトの操作方法など
②日常的かつ平凡な仕訳など
③会社・お客様の要望など

です。
そのため、はじめは当然手間取る部分もあるでしょう。
しかし、それらについても、基本的な知識がしっかりと身についていることで、苦労はだいぶ減ることとなるでしょう

①会計ソフトの操作方法など

会計の仕事にも技術的な部分はあります。
会計ソフトの操作などです。
そういった技術的な面は、資格試験では学びませんので、実務の中で技術を身に着けていく必要があります。

②日常的かつ平凡な仕訳など

資格試験などでは、基本的に決算のことや、学問的に意味のあることを学びます。
日常的に処理される平凡な仕訳については学ぶ機会が少ないのです。
そのため、「この費用ではどういった勘定科目を使うのか」など、初めは迷うものも多いでしょう。
使用している科目などは会社によっても違いますが、そういった判断には実務的な慣れも必要です。

③会社・お客様の要望など

決算の着地をどのようにしたいか、ということは会社によっても異なります。
そして、どのような要望があって、どのように目指している数値へ近づけることができるか、ということも、知っておく必要があります。

上記はいずれも、資格試験を勉強して、基礎を固め、その知識を活かして仕事をすれば、吸収も速いです。
また、①②にような仕事は、資格がない方でも比較的すぐにできるようになることです。
初めは、「試験ではこんなこと習わなかったな。」と思いながら、試行錯誤する日も続くかもしれませんが、資格が生きるのは主に決算。
3ヶ月もあれば、知識と実務が融合し、そこから一人前になるまでに時間もかからないでしょう。

他業界から税理士を目指す方は

他業界から税理士を志す方も、これらの資格さえ取ってしまえば、会計業界ですぐに活躍することができます
そのため、例えば公務員や一般企業で、「仕事にやりがいがないから税理士業界を目指そう」と思い立った方など、すぐに転職するのではなく、まずは資格を取得してから動く、と言う方法も十分に可能です。

一度受験してみないと、受験がうまく行くかどうかも分かりませんし、会計事務所・税理士法人は比較的忙しいです。
資格がそのまま実務に生きる業界なので、転職に焦らず、まずは資格の取得から、という選択肢も十分に有りです

簿記論はどのように役立つ?

簿記論の試験は、ひたすら決算整理仕訳を作成し、決算整理後残高試算表を作成するという試験です。
試験時間中の2時間は、ひたすら仕訳を作成し続けるというハードな試験ですが、この試験を乗り切ったときには、仕訳を直感的に作成することができる能力が身に付いているでしょう

経理実務でいきなり活躍できる理由

帳簿の作成の実務、会計事務所での決算の実務では、請求書・領収書、その他の情報から、仕訳をどんどん作成する仕事を行うこととなります。
その際、簿記論レベルの仕訳作成能力が備わっていれば、仕訳の作成に迷うことなく、知識面では自信を持って仕事をすることができます

簿記2級でも、しっかりと理解して合格している方なら、基本的な仕訳にはあまり迷わないレベルにはなれるかもしれません。
しかし、圧倒的な問題数をこなさなければ合格できない簿記論を合格できるレベルとは、やはり異なります。
簿記論合格者であれば、決算を含め、実務で即活躍できるようになるでしょう。

財務諸表論はどのように役立つ?

財務諸表論は、下記のようなことを学ぶことができる試験です。

①仕訳の理論的背景
②財務諸表を作成する知識

①仕訳の理論的背景を知ること

この科目では、仕訳の理論的な背景を知ることができます。
簿記論では、理論が試験範囲ではありませんので、どうしてこの仕訳はこのように処理されるのか、ということを深く追求しません。
なお、理論的な背景を知ることは仕訳を作成する力に直結します
難しい仕訳を考える際は、理論的な根拠を知ることが必要不可欠です。

②財務諸表を作成する知識

財務諸表を作成する知識を学ぶことができます。
その知識は、財務諸表作成業務においては、本当に実務ですぐに役に立つ知識であり、財務諸表の作成業務に関しては、本当に即日、実務で活躍できるレベルになるでしょう。

私も一般企業の経理で財務諸表作成業務に従事しましたが、大量に保有していた有価証券の表示方法を含め、ほとんどこの試験の知識だけですぐに財務諸表を作ることができました。

その他の会計資格は?実務にどれだけ役立つか

上記では、いかに税理士試験の会計科目が実務に役に立つのか、ということを紹介させていただきました。
それでは、他の会計の資格はどうなのでしょうか?

もちろん、会計の実務の性質上、資格は実務に役に立ちやすいです
そのため、他の会計資格も、当然プラスになります。

しかし、やはり税理士試験は、上で紹介している通り、非常に実務に近く、他の資格と比べても実務に役立ちやすいです。
そうはいっても、難易度的な差はありますので、自分にとって取得しやすい資格の合格を目指していくもの良いでしょう。

日商簿記

2級

一番一般的に知られている会計の資格試験として、日商簿記があります。
その中でも、2級は一般的に評価も高く、比較的合格しやすいことから、注目している方も多いでしょう。

実は日商簿記2級で、会計の基本的な範囲をほとんど網羅しているので、内容をしっかりと理解した上で合格をしている方であれば、実務でも相当役に立つでしょう。

しかし、日商簿記2級は簿記論と異なり、問題を解く絶対数が少なくても合格出来てしまいます。
そのため、得ることができる会計の力は、当然税理士試験の会計科目には劣ります。

・1級

日商簿記1級は、簿記論・財務諸表論と同等またはその上を行く難易度です。
連結会計を含めた簿記の知識や、その他幅広い会計の知識が身につきます。

大企業の財務部門で働くには良いかもしれませんが、中小企業や会計事務所などでは使わない知識も多く、実務のイメージもつきにくいように思います

そういった意味でも、簿記論・財務諸表論はおすすめです。

まとめ

簡単にまとめさせて頂きます。

①知識が実務に直結する仕事であるため、資格で学んだ知識があれば、すぐに活躍できる
②そのため、転職でも資格が高く評価される
③しかし、実務経験でしか得られないものもあるため、実務経験も高く評価される
→他業種からこの業界への転職を考えている方は、資格を先に取得するという手も十分にあり!

急な転職にはリスクも伴いますが、仕事しながらの試験勉強はノーリスクです。
しっかりと基礎を固めた上で、未経験の良いスタートダッシュを切るという方法も良いでしょう。