税理士資格は人生を豊かにするか? 〜試験を乗り越え、得たものと失ったもの〜

非常に難関試験を突破しなければ、なることのできない税理士。
漠然とした夢や希望をもって目指している方も多いでしょう。

私も合格に至るまでの7年間、非常に苦しい思いをしながら勉強を続け、なんとか合格に至りました。
その上で、税理士試験を合格したことで何が変わったのでしょうか。
これから税理士試験を目指す方にも参考になるよう、私の合格後の心情の変化などについて書いていきたいと思います。

税理士を目指した理由

まず、私が税理士を目指した理由としては、下記の3つがあります。

①会社が倒産したり、転職を考えた際に何もできなくなるのでは?という不安
②将来独立したいという具体的な願望
③漠然と「何か新しい人生が待っているのでは?」という希望

①会社が倒産したり、転職を考えた際に何もできなくなるのでは?という不安

私の新卒時の就職活動は非常に厳しいものでした。
そのため、「このまま今の仕事を続けることはできるだろうか?」といった将来に対する不安は相当ありました
その上で、資格さえとってしまえば、職に悩むことはなくなるだろう、という期待はありました。

②将来独立したいという具体的な願望

自分は経営学部であったこともあり、経営をしてみたいという気持ちは以前よりありました。
その上で中小企業に就職しましたが、なかなか急に経営を動かす立場にはなれないのが現状
そのため、自分で独立がしやすい税理士という資格には魅力を感じました。

③漠然と「何か新しい人生が待っているのでは?」という希望

そして、税理士という資格を取ることができれば、何かが変わるのでは?という漠然とした希望がありました
税理士資格は非常に難易度も高く、それを達成したら今とは何かが決定的に変わるのでは?という、未知のものに対する希望です。

さて、合格した今、それら目的は達成できたのでしょうか。

税理士試験を合格して変わったこと

①将来に対する不安はなくなった

まず一つ目の税理士を目指した理由、将来に対する不安ですが…5科目合格後、全くなくなりました。

更にいうと、いつ職場をやめても転職はいくらでもできる、という解放感は精神的には非常に良いものです
税理士試験の受験前では、上司からの評価などをいちいち気にする生活にストレスを強く感じていましたが、そのようなストレスはなくなりました。

税理士も「将来AIに仕事が奪われる」なんて話もありますが、今は正直全く気になりません。
なぜなら、税法に詳しい税理士のような存在は市場では本当に希少であり、今後AI化が進んだとしても、急に職を失うことはないと思えるためです。

結果を言えば、不安がなくなっただけではなく、精神的な開放感を得ることができました。

②独立できる?

現段階では実務経験も浅く、独立がすぐにはできる状態ではありません。
しかし、税理士資格は、確実に独立しやすい資格です。
将来独立しよう!と考えながら仕事や生活をしていることは、なかなか楽しいものです。

③漠然とした希望は? 

税理士試験5科目合格したら何かが大きく変わるのでは?という漠然とした希望がありましたが…
それに関しては叶っていないように思います。

大きく変わったことは、上記①の開放感と、②の目標に対して一気に近づいた、という感覚です。
そのため、漠然と抱いていた、何かが大きく変わる?、という「何か」は特にありませんでした

資格に「何か」を期待しすぎる、ということも考えものかもしれません。

思えば社会人になる際なども、何かに期待しながら生きてきました。
そして、今でも独立に何かを期待して生きています。
そのモチベーションが今につながっているのかもしれません。

税理士資格は人生を豊かにするか?

さて、7年間プライベートを相当犠牲にして税理士試験の勉強し、今税理士法人で忙しく働いていますが…果たして人生の満足度は総合的に上昇したのでしょうか?

結論から言うと、私は「全体的に少し上昇した」と言えます。

上記で解説した通り、将来の不安からは解放され、目標に向かって頑張ることもできています。
全力で頑張れる趣味などがない自分の場合は、7年間勉強に没頭できたことは非常に大きいプラスとなったと言えるでしょう

ただし、下記で示すように、失ったことも確実にあります。

税理士試験で失ったもの

私は7年間税理士試験の勉強に費やし、下記を失いました。

①なんでもない日常

勉強を開始する前は、好きな漫画を読んだり、音楽活動をしたりといったちょっとした楽しみがありました。
しかし、そういった何気ない日常は、激減。
特に法人税法合格までの4年間は、ほとんど皆無でした。

②一部の交友関係

試験勉強が最優先の生活を送っていましたので、誘われた飲み会や音楽活動なども、多くを断ることとなってしまいました。
その中で、やはり疎遠になってしまった友人もいます

もちろん、全てが失われた訳ではありません。
毎年試験後の8月・9月頃に、自分から連絡を取って飲みに行ったり遊んだりということをしていましたので、比較的失われた交友関係も少なかったように思います。

③のんびりとした気持ち

税理士試験によって、のんびりと何もない空白の時間を楽しむ心が相当錆付きました
隙間時間も勉強をし、空いた時間を見つけては常に勉強時間を確保する、という生活を続けすぎてしまったためだと思います。

常に前に進むという気持ちも大切ですが、穏やかな気持ちでゆっくりと過ごす心も、人生を楽しむためには必要なもの。
それが失われてしまうと、家庭やプライベートを大切にできなくなってしまうのでは?と私はおもいます。

幸い、勉強から解放されてからはその心も徐々に自分に戻って来ました。
完全にそれを失うことなく生活できたのも、勉強を支えてくれた家族や友人のおかげです。


さて、何も失わずに何かを得ることはできません
税理士試験の合格を目指すのであれば、必ず何かを失う、と覚悟をして挑戦しましょう

まとめ

私は、税理士試験の勉強に打ち込んだ7年間、さまざまなことを考えましたが、結論的には「人生楽しむことができているなら、資格勉強もいらない」と考えるようになりました。

一般企業に勤めながら、全力で趣味に打ち込んでいる人、
自由に自分のやりたい仕事を全力で頑張っている人、
仕事も遊びもゆるくしながら、毎日が楽しい!と言っている人。

そういう生活をしている知人や友人は本当に楽しそうにしています。

税理士試験を頑張った経験は、確実に自分を成長させました。
その上で、全力で何かに取り組む7年間が経験できたことに、一番意味があったのでは?と思います

税理士試験に挑戦することは、自分を高めるきっかけにもなります。
自分が本気で「税理士を目指したい!」と思えるのであれば、ぜひ挑戦してみて下さい!