私は税理士試験に挑戦すべき?~将来性や労働環境も心配。合格のメリットは?~

非常に難易度が高いと言われている税理士試験。
税理士資格は「独立しやすい資格」としても広く知られています。

5科目合格まで10年以上掛かってしまう人も多いです。

合格するまでそんなに努力を要するにも関わらず、巷では「将来AIに仕事が奪われる」であるとか、「労働環境が良くない」といったような情報もちらほら。
実際、税理士を目指すという選択肢はどうなのでしょうか?

挑戦すべきかどうかの判断は…

税理士に挑戦すべきかを合理的に判断するのであれば、下記の条件が成り立つことが必要でしょう。
税理士資格取得のメリット>取得のための努力・時間・費用

結論から言うと、万人にとって上記が成り立つ資格ではないです

税理士資格取得のメリットは、実利的なメリットだけではなく、主観的である「個人的な充実感・満足感」が占める部分も大きいためです。
(実利的なメリットも主観的な部分があります。)

算式を分解すると下記のようになります。

実利的なメリット+個人的な充実感・満足感>取得のための努力・時間・費用

上記の図式が成り立つかどうかは、「人による」としか言えないでしょう。

それでは、税理士資格を取得した際、どのようなメリットがあるかどうかを見ていきたいと思います。

税理士資格取得の「実利的なメリット」

税理士試験を合格した後のネガティブな情報もありますが、(取得する難しさ等を考慮しなければ、)下記のように、良いこと尽くめと言えます。

①(労働環境は悪いと言われているが、)
⇨労働環境は比較的「選び放題」
②(独立しにくくなっていると言われているが)
⇨独立は比較的今でもしやすい
③(AIに仕事が奪われると言われているが)
⇨将来性もある

なお、上記のメリットも、詳しく見ていくと「自分は求めていない」ものかもしれません。
また、繰り返しになりますが、税理士試験は上記のメリットも霞んでしまうくらい難しいです。

それでは上記のメリットについて解説していきたいと思います。

労働環境は選び放題

まず、労働環境は比較的選び放題な状態になります
(なお、そもそも今の職場に満足している、という方には、不要なメリットかもしれません)

私も実際に5科目合格・税務未経験で求人を探しましたが、残業もなく働きやすそうで、その他の待遇も悪くなさそうな求人もありました

税理士の労働環境については、ネガティブな情報は絶えません。
それについては下記のように言えるでしょう。

・労働環境が良くない場所が圧倒的多数であることは事実
・しかし、税理士資格があれば労働環境も比較的選び放題
・そもそも「会計やデスクワークに向いていない」という人には☓

確かに業界全体的に労働環境は良くない

一言で表現すれば、業界全体的に「労働環境が良くない」ことは事実でしょう。
会計事務所や税理士法人などは、残業時間も多く、ハードな労働環境であることが一般的です。

私が見た求人についてもやはり「残業時間が多い」ものが多かったですし、「労働環境」という意味では全体的に「良い」とは言えないでしょう。

売り手市場のため労働環境は選び放題

しかし、税理士資格さえ取ってしまえば、そこまで気にする必要はありません。
なぜなら、税理士は転職市場において引く手数多で、労働環境はいくらでも選べるからです。

どのような環境で働きたいかは人によって異なりますが、ほとんど残業もなく、その他の待遇も悪くない職場も実際に存在します。

無資格の状態で転職を考えると、なかなか転職も自由が効かないので、「転職すること」を前提として考えるのであれば、明らかに税理士資格は効果の高い資格です

(ちなみに私は「より成長できる環境」を目指して転職活動をしたため、結果として残業時間も多いような職場で働くことになりました。)

そもそも向いていない人は?

一般的なサラリーマンができる人にとっては、選択肢も増えますし、良い面は大きいです。
ただし、そもそもサラリーマンに向いていないような人にとっては、資格だけ取得しても厳しい面はあるでしょう
独立してもお客様のいる仕事ですし、税理士法人などは普通に人間関係もあります。

「資格だけあれば後は稼げる」といった簡単なものでもありません。

そのため、税理士資格の取得を目指す方は、どちらかと言うと「仕事が好き」「仕事で楽しみたい」というタイプのほうがあっているかと思います。

独立は今でも可能

税理士資格があれば、独立が可能です。
私の周りでも、実際に独立をしている人もいます。

独立についてまとめると下記。
①設備投資が少なく独立はしやすい
②独立後のリスクも少ない
③大手税理士法人が増えた今でも可能

①設備投資が少なく独立はしやすい

必要な設備も事務機器、パソコンやソフトなど、ごく少ないもの。
あとは知識と経験です。
そのため、資金が少なくても開業ができます

②独立後のリスクも少ない

プラスして言えることは、独立するリスクも非常に少ない、ということ。
万が一独立して収入が少ない状態となってしまったとしても、勤務税理士として戻る先はいくらでもあります。

③大手税理士法人が増えた今でも可能

近年、税理士法人が増えてきて、独立も難しくなってきているというイメージもあります。
確かに昔に比べると独立も難しくなっているかもしれません。
そういった税理士法人は、低い価格で高いサービスを提供しているところも多いです。

しかし、お客様さえ付いてくれれば、人と人との仕事ですので、今でも独立は可能です

仕事で楽しむチャンスを得ることができるのがこの資格の魅力でしょう。

将来性もある

「税務申告書代行者」の仕事はAI化でなくなる仕事としても挙げられています。
しかし、それも過度に心配する必要もないかと思います。
既に税理士の仕事は、税務申告書の代行業務がメインではない、とすら言えるためです。

簡単な申告書の作成などは、すでに資格がない人が行っているのが現状です。
それを見て思わぬ落とし穴がないかをチェックするのが税理士の役割。

また、相談・提案業務なども多く、そういった仕事がAIにできるような時代になるのは、先の話でしょう。

ただし、AIが進化すれば大きく現状は変わってくるであろうことは確かです。

税理士資格取得の「個人的な充実感・満足感」

税理士を取ることによって変わることは、上記のような実利的・現実的な側面だけではなく、精神的なメリットもあります
それは下記のようなもの。

①一般的に認知度の高い資格であり、持っていることで自信につながる
②人生における達成感が得られる
③将来の不安感がなくなる

一度資格さえ取ってしまえば、一生税理士として生きることができます。
そのことは人生の満足度アップにもつながることでしょう。

資格取得のための努力・時間・費用

上記のように、税理士取得のメリットは確実にあります。
しかし、同時に税理士試験は非常に難しいです。
働きながらであれば、最低でも3年間は勉強にすべてを捧げる期間があり、10年近く勉強生活が続くイメージとなります。

また、予備校の講義は初学の場合、1科目で15万~25万円程度かかります。

それを考えて、下記の算式が成り立つかどうかを考えると難しい部分もあります。

税理士資格取得のメリット>取得のための努力・時間・費用

まとめ

以下、記事をまとめさせていただきます。

①税理士資格を持っていると有利であることは間違いない
②しかし努力に対して得られるものが大きいと感じるか小さいと感じるかは、自分の価値観次第。
③税理士試験は非常に難しく、長期戦。
そのため挑戦するかどうかは人生も左右する重要な判断。

税理士試験に挑戦することで、今後の人生は大きく変わるでしょう。
受験生活で辛い日々も相当長く続き、いろいろなことを失うことになるかもしれません。

なお、税理士試験に挑戦したい!という気持ちがあるのであれば、慎重になりすぎずに挑戦してみる、ということも良いかと思います。
年を取った後よりも若いうちに挑戦したほうが確実に良いです。

私も非常に軽い気持ちで税理士試験に足を踏み入れてしまった一人です。
合理的に考えるのではなく、直感的な「やってみたい」という気持ちがあるのであれば、挑戦してみても良いかもしれません!
しかしその後の辛い道のりには覚悟を決めましょう。