税理士試験のリアルな難易度は? 〜働きながら5科目合格まで何年かかる?〜

非常に難しいと言われている税理士試験。
何年も合格できずに受験生活を苦しんでいる方もいるという話もあります。
予備校では勉強期間の目標設定の目安として5年、なんて記載も。

一体税理士試験を5科目合格できるまで、どんな道のりになるの?といった疑問をお持ちの方も多いハズ。
この記事では実際の私の体験などからどれくらいの難易度なのか、ということについて簡単に解説させていただきます。

税理士試験の難しさ

税理士試験の難しさは、純粋な試験の難易度だけではない、ということがポイントです。

◎税理士試験の難しさのポイント
①科目別の純粋な難易度は高い
②精神的に苦痛な要素も多い
③長期化しやすい

そのため、税理士試験に合格するためには、
・長くモチベーションを保つことができるか
・精神的な苦痛を乗り越えることができるか
という部分が非常に重要となってきます。

なお、そのすべてを合格するまで、10年程度かかってしまうことも一般的です

個々の科目の難易度について

税理士試験は、科目合格制で、科目によって難易度は大きく異なります。
大まかに会計科目と税法科目があります。

ここでまず単純に言えない部分は、
①得意不得意も大きく影響する
②運の要素が大きい科目もある
ということ。

 難易度など参考勉強時間運の要素その他
簿記日商簿記1級より易600会計科目
財表日商簿記1級程度600会計科目
所得ボリューム大1,800必須科目
法人ボリューム大1,800必須科目(おすすめ)
相続受かりにくい(1,000)(中)
消費受かりやすい750おすすめ
酒税(550)(大)
国徴受かりやすい600
住民(600)(大)
事業(600)(大)
固定(550)(大)

()書きは受験しなかった科目です。主観による部分も大きいですが、ご容赦ください。

はじめに受ける会計科目の難易度

会計科目は簿記論と財務諸表論の2科目。
まず受けることとなる科目です。

日商簿記1級と同等またはそれよりも多少易しい、といったレベルで、勉強時間は500~600時間程度が目安です。

運の要素も比較的少なく、正しく努力すれば合格できる科目です。

税法科目の難易度

ミニ税法とそれ以外では分量が大きく違います。
なお、共通して税法の理論暗記が必要で、暗記が苦手な人には厳しい試験となります

法人税法・所得税法(必須科目)

1年間本気で勉強をしても、網羅できないくらいの試験範囲です。
勉強時間は1800時間程度あれば良いかと思いますが、その勉強時間を確保すれば合格できる、という単純なものでもありません。
暗記する分量も相当であり、「精神的な強さ」も強く求められます

税法必須科目は、税理士試験の大ボスのようなもの。
そのいずれかさえ合格できれば、5科目合格は可能でしょう。

その他の税法(ミニ税法など)

上記の必須科目に比べ、試験範囲は狭いですが、高い精度の暗記が必要となります

どの科目も受験者数が少なく、試験範囲を網羅したうえでのハイレベルな戦いであり、合格するためにはケアレスミスもなく、正確に解答することが必要となります
そのため、勉強時間をしっかりと確保しても、うまく合格できない、という方も多くいます。

500~600時間程度で試験範囲を網羅できる科目も多いです。
※ちなみに私は消費税法の合格まで、1,700時間以上勉強しました。

精神的な苦痛について

税理士試験は、精神的な苦痛も伴います。
簡単に解説しますと、下記です。

①理論暗記作業

税法の理論暗記作業は、勉強というよりも作業であり、面白みが少ないです。

特にミニ税法は、高い暗記の精度が求められます
その上、実務に関係ないことが多いです。
その無意味にも感じられる暗記作業が何度も繰り返されることは苦痛です。

②ミスの許されないプレッシャー

特にミニ税法は、ケアレスミスが許されない環境です。
小さなミスが合否に大きく影響します。
その本試験の一瞬の気のゆるみによって合格できなくなるプレッシャーは精神的苦痛を生みます

③合格発表までの期間の長さ

試験は8月ですが、合格発表は12月。
その期間は合否が分からず、なかなか次の一歩に踏み出せない、もどかしい期間が続きます

長期化しやすいことについて

税理士試験は、下記の要因により、長期化しやすいです。

①本試験は年1回のみ
②(特にミニ税法は)運の要素が強い
③理論暗記・改正といった要素により、2回目以降もしっかりと学習する必要がある

もし、税理士試験が、年2回や3回行われているのであれば、相当の人数が5年以内に合格するかと私は思います。

そのため、長い間、精神的に厳しい戦いとなることは覚悟が必要です。

長期化する理由の詳細

①運の要素など

上記でも触れましたが、税理士試験には運の要素が大きい科目や、少しのミスも許されないような精度が求められる科目も多いです
そのため、勉強時間を多く確保して確実に合格できるレベルを目指す、ということがしにくいです。

②試験は年1回

⇨①にも関わらず、試験は年1回。
そのため、(税法科目は)毎年コンスタントに、確実に成果を出すことが難しいです。

③理論暗記・改正

上記に加え、理論暗記や改正といった要素があります。
理論暗記は1年すると精度は落ちますし、改正は改めて勉強しなければなりません。
そのため、毎回しっかりと勉強をし直さなければならないのです。

私の体験談

私が5科目合格に至るまでの戦歴は下記です。
1年目 ○簿記論・☓財務諸表論
2年目 ○財務諸表論・☓消費税法
3年目 ☓消費税法
4年目 ○法人税法
5年目 ☓所得税法
6年目 ☓消費税法・☓国税徴収法
7年目 ○消費税法・○国税徴収法

なお、1〜4年目までは、遊びはほとんどしない、仕事と勉強だけのような生活でした
しかし、5年目以降は、割と精神的にも余裕のある生活でした

1〜4年目

この時期は、勉強することに対するストレスも大きかったため、精神的には非常に大変でした。
勉強時間は、大体平日2~3時間程度。
会計科目のほうが税法科目よりも難易度は低めですが、5年目以降の生活に比べると、圧倒的に苦痛が大きかったです

(会計科目を勉強されている方で、「こんな生活があと何年も続くなんて耐えられない」と思っている方にとっては良い情報かもしれません。)

5年目以降

勉強時間自体はそこまで変わっていませんが、1〜4年目に比べると精神的にも余裕のある勉強生活でした。
勉強に慣れたことと、法人税法に合格したことの2点が大きかったとためかと思います。

それでも、毎年7〜8月はプレッシャーが非常に大きい生活を送っていました

まとめ

税理士試験を短期間での合格を目指したとしても、結局何年もかかってしまうという結果になる方も多いでしょう。
しかし、続けてることさえできれば、合格まで行き着くハズです。

(私の場合は、4年目の受験でうまく法人税法を合格できたため、5科目合格まで行き着きましたが、そこで何かミスをして不合格となっていたら、5科目合格まで至らなかったかもしれません。)

税理士試験の真の難しさは、試験自体の難しさではありません。
精神的にも厳しい長期戦を乗り越えなければならない、ということが真の難しさなのです。

税理士試験合格までの道のりのイメージは付きましたでしょうか?