税理士試験では実務で役立つ科目を受験すべき?〜実務の知識は後から勉強すればいい?〜

税理士試験の合格を目指すとき、どの税法を受けるべきか非常に迷いますよね。
その判断基準として大きなウエイトを占めるのが、「実務で役にたつかどうか」という点。

実務で特に役に立つ科目は、法人税法・所得税法・消費税法・相続税法の4科目。
その中で、法人税法・所得税法については非常にボリュームも大きいですし、相続税法はなかなか受かりにくいとも言われています。

そんな中、「そもそも実務で役に立つ科目を選んだほうがいいの?」「あとから勉強すればいいのでは?」といった疑問が浮かんでくることも。
科目選択をするときはどれくらい重視すべき?

実務で役立つ科目は重視したほうがいいの?

なるべく実務で役立つ科目を選択しよう

やはり実務で役立つ科目を選択するメリットは非常に大きい、ということは間違いないでしょう。

確かに、「試験はあくまでも試験」ではあるのですが、それでも「受けるべき」と勧められる理由があります。

そのメリットと体験談は下記に挙げさせていただきます。

「科目の合格」にこだわる必要はない

上記のことはあくまでも、実務上役に立つため選択すべき、ということ。
税理士資格さえ取ってしまえば、基本的にどの科目を合格したか、ということはそこまで関係ありません。
そのため、実務に役立つ科目を「合格」することにこだわる必要はありません。

早く税理士資格を取ることはそれ以上に重要

同時に言えることは、税理士試験は早く合格すべき、ということです。

そのため、早く合格できそうな科目があるのであれば、実務に役立つ科目にこだわりすぎず、すぐに合格できる科目を選択しましょう。

試験勉強と実務での勉強のメリットは?

税理士の仕事は、税法の知識が直接役に立つ仕事。
そのため、実務で役に立つ科目を合格していると、非常にプラスになります。

しかし、実務で使用する知識は比較的限られているため、必ずしも税法の知識を試験で得る必要がないことも事実。

下記では、
・試験で勉強した場合のメリット
・実務と実務教材で勉強した場合のメリット
について解説していきます。

試験で勉強した場合のメリット

私は法人・消費・所得については税理士試験にて受験をし、税法の知識を学びました。
その上で感じたメリットを紹介いたします。

体系的・網羅的に学習できる

試験を受験する場合、税法を1から体系的に学ぶことができます
また、実務でもあまり登場しないようなマイナーな部分についても、試験に合格するためには学習しなければなりません。
このことは非常に強いです。

実務でポイントを絞って学習をしていると、知識面でも弱いですし、急に現れる落とし穴に気付くことができません。
マイナーな特例も知っていれば使えますが、知らなければ見落としてしまうでしょう。

体系的な知識を身に着けておくことは、単純に仕事をする上で役に立つだけでなく、仕事をする上でのストレスを大きく軽減できます
「税法を網羅的に知っている」という状態であれば、業務中に生ずる不安感が相当軽減されるためです。

高いモチベーションをもって学習できる

試験勉強の場合、高いモチベーションを持って勉強できることもメリットです。
「実務のことはあとから学べば良い」と思いっていても、難しいのが現実です。

・「試験を合格する」というモチベーションをもって勉強ができる
やはり、「合格を目指す」という具体的な目標がなければ、なかなかあえて勉強をしよう、という気持ちになりにくいです。

・予備校がペースを作ってくれる
予備校のスケジュールに基づいて、一歩一歩学習することできる環境はモチベーションを下げずに学習できる非常に良い環境です。

・気持ちを仕事から切り離して勉強できる
試験勉強であれば、「自分のため」という気持ちで学習できる、という点も重要です。
実務のことを勉強しようとすると、どうしても仕事の延長のように感じてしまい、モチベーションが湧きにくいです。

実務での勉強のメリット

実務と実務教材による自主的な勉強によるメリットももちろんあります。
ここでは下記の2点を挙げさせていただきます。

余計な勉強はしないで済む

実務からの勉強では、仕事に直結する勉強だけをしていれば良く、非常に効率的です
例えば、試験勉強の場合はいちいち条文を覚えなければならず、「無駄」と思える作業が非常に多くなってしまいます。
そういったことをしないで済むことは、大きなメリットと言えるでしょう。

イメージがしやすい

勉強する目的も明確であり、勉強の対象となることについてイメージも大体掴んでいます。
そういった意味で、実務からの勉強は頭に入りやすいです

試験勉強の場合、どうしても実際のイメージがつきにくいような部分も出てきます。
そこで非効率的になってしまうことも多いので、それと比べると効率的な学習がしやすいと言えます。

それぞれのメリットの比較

上記のメリットの比較だけみれば、「結局あとから実務で勉強すればいいのでは?」という風に感じる方も多いでしょう
合理的に効率性などを考えると、実務からの勉強で十分のようにも見えます。
試験勉強の最大のメリットは「モチベーション」ですが、「モチベーションなんてやる気の問題でしょ?自分はやる気があるから大丈夫。」と思う方もいるでしょう。

しかし、実際に私の経験から考えると、「モチベーションを上げることの難しさ」の重要性は非常に大きく、やはり試験で学習することのメリットは大きいと言えます。

私の体験談

私は法人・消費・所得については、税理士試験の受験経験があります。
それらの勉強については、合格を目標に、予備校で講義を受講していましたので、違和感なく毎日2〜3時間は勉強する生活をしていました
ちなみに相続税法についても、「試験勉強が終わったら今と同じようにしっかりと勉強をして知識を身に着けよう」という風に考えていました。

その後私は、税理士試験5科目合格後、相続税関係の仕事を受けることとなりました。

実務から勉強体験談(相続税法)

「将来のために相続税法の知識は付けたい」と思った上での勉強でしたが、試験勉強と比べると、下記のようにどうしても薄い内容の勉強となってしまいました

勉強時間

結局私が勉強をした時間は、週3〜5時間程度。
試験勉強のときの勉強時間と比較すれば、4分の1以下の勉強時間です。

勉強内容

私は実務向けの簡単な講義を視聴しましたが、実際に問題を解くようなアウトプットはほとんどしませんでした
理由は単純に、実務で進めるための知識を得るために、わざわざストレスの多いアウトプットまでする気にならない、ということ。
問題を解いたりしなくても、実務を進める上での簡単な知識は得ることができます。

実際にはアウトプットすることで理解も深まりますし、知識も定着します。
しかし、それすらしようとする気持ちになれないのが現実でした。

勉強環境

相続税法を受験する、となった場合であれば、他のやりたいことを我慢し、それに捧げる生活となります。
しかし、そこまでしなくても良い環境で勉強していると、相続税法だけに集中する生活はできません

ブログを書くことを含め、自分のやりたい活動は色々とあるためです。

結局これからも相続税法の勉強は続くかと思いますが、試験において本気で勉強した人と比べると、どうしても大きな差は出てきてしまうと思います。

まとめ

実務の勉強を試験勉強と同じくらい情熱をかけて学習できる人には、実務に役立つ資格にこだわる必要は全くないでしょう。
しかし、現実には同じように勉強することは非常に難しいです。

そのため、結論として言えることは下記。
①やはり、実務で役に立つ試験科目を受験することの意義は大きい
②しかし、受かりやすい科目・受かりにくい科目もある
③バランスを考えて受験しよう

この記事が受験科目の選択に迷っている方に少しでも参考になれば幸いです。